【銘柄分析】Rio Tinto (RIO) 〔2014年12月期〕

ASX上場企業のRio Tinto(リオティント)の分析を行います。BHP Billitonと同じ、大手の世界的な鉱業会社です。

会社概要

ロンドン証券取引所に上場していたRio Tinto-Zinc Corporationと、ASX上場のConzinc Riotinto of Australiaが合併した会社。BHP Billitonと同じ二元上場会社である。もともと19世紀に遡る歴史の長い会社である。本拠地はロンドンで、オーストラリアの本拠地はメルボルン。世界中で鉄鉱石、ボーキサイト、銅などの各種鉱物の生産を行っている。

会計年度は1月~12月。2014年12月期の売上は476億米ドル。(円/米ドル=120円とすると約5兆7,120億円)、純利益は65億米ドル(約7,800億円)。売上・純利益共に過去10年間でおおむね順調に伸びており、売上の年平均増加率は約9%、純利益の増加率は1%。ROE=11.9%。

ASX上場のRio Tinto Limitedの時価総額は931億豪ドル(円/豪ドル=90円で8兆3,790億円)。

株価はグーグルファイナンスで確認できる。IR情報はRio Tinto社のIRページにて確認できる。

過去にはBHP Billitonから合併の打診があったが、あまりに市場が寡占化されるとの批判などがあり、最終的には実現していない。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去10年間の数値をまとめた。rio 売上推移

Rio Tinto社のIRページには、2015年9月13日現在、2008年までのAnnual Reportまでしかダウンロードできないため2006年と2005年の一部の数値を拾うことができなかった。拾うことが出来なかった項目はNAと記載してある。

  • 直近の投下資本利益率は8%と高収益とはいえない。2010年には18%にのぼるが、当時はコモディティ価格が高かったことに起因する。
  • 有利子負債/総資産は23.4%と低く保たれている。
  • 売上は順調に伸びている。純利益はこの10年間であまり伸びていない。2012年にはアルミ事業とモザンビークの石炭事業の減損を行ったため、赤字になっている。

2014年12月31日のバランスシートを日本語でまとめた。分かりやすさを重視するため、項目を絞った。正確な項目はRio Tinto 2014年Annual Reportの106ページをご参照いただきたい。Rio BL

有利子負債比率は23.4%と低く、財務体質は良いといえる。

キャッシュフローの推移は以下の通り。RIo Cashflow

2008年までのキャッシュフロー計算書までしかRio Tinto社のホームページから入手できず、かつ2007年の為替調整の額を入手できなかった。また、2008年と2011年の数値は後に修正されているので、前年のCFと計算が合わなくなっているが、分析する際に特段困ることはないだろう。

大きな投資する年はフリーキャッシュフローがマイナスになるが、基本的には営業キャッシュフローの範囲内で設備投資を行っている。

配当金は順調に伸びており、この8年で2倍以上の数値となっている。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

BHP Billitonの記事で採掘会社のビジネスモデルや、各種分析を行っている。Rio Tintoも全く同じといってよい。

結局のところ、現在保有している安く生産できる鉱区から効率よく生産すること、そして安く生産できる鉱区を探鉱活動を通じて見つけることが収益に影響する。

最近の状況

2014年上期と比較し、2015年上期のUnderlying Profit (特別利益・特別損失を除いた利益数値)は43%減と、中国の景気減退に伴うコモディティ価格下落が直撃している格好である。

鉱物別売上利益は下記の通り。Rio Tinto 2014年Annual Reportの178ページ目を日本語で簡単にまとめた。rio 鉱物別売上

鉄鉱石が売上の約半分を占め、純利益だけでいえば大部分を占める。鉄鉱石のはオーストラリアとカナダで生産されていりが、ほとんどが西オーストラリア北部のピルバラ地域で生産されている。

各鉱物の埋蔵量と、2014年の生産量を割って単純に可採生産年数を下記の通りまとめた。Rio 可採年数

利益の大部分を占める鉄鉱石については残り17年程度である。しかし、西オーストラリアには大量の鉄鉱石があると考えられ、現在保有している鉱区の近隣を探鉱することで埋蔵量を積み上げる活動を行うと思われる。

リスク

BHP Billitonの記事と同じ。最大なのはコモディティ価格の持続的な下落といえるだろう。

今後の展開

2015年の第2四半期プレゼンテーション資料によると、Tier1(大規模で低コストで生産できる鉱区)を通じて株主に利益を還元するとある。

低コストで生産できる鉱区を見つけ、生産するということよりも、コモデティティ価格がRio Tinto社の収益に影響を与えるだろう。

長期的には新興国の経済発展で建設需要・エネルギー需要が増加しコモディティ価格も上がると考えられるが、短期的には中国経済の減速の影響でコモディティ価格は低い水準に留まると思われる。

過去の株式バリュエーション

Rio Tinto社は米ドル決算なので、ASX上場のRio Tinto Limited株は米ドル/豪ドルの為替の影響を受ける。Rio Tinto 2014年Annual Reportの192ページに一株あたり利益と配当が記載してある。これを元に筆者で下記の通り求めた。rio 株式バリュエーション

2015年9月11日現在のRIo Tinto Limitedの株価は52豪ドル。時価総額は上記にも記載したが931億豪ドル。(二重上場会社のため、ASXのRio Tinto Limitedの株数だけでなく、ロンドン証取上場のRio Tinto Plcの株数を足して、株価を掛けて時価総額を算出。ただし、おそらく為替等でページにより時価総額は異なる。過去の記事を参照いただきたい。)

PERはざっくりとではあるが15~20倍程度を行ったりきたりしているようである。

上記にも記載したが、2015年の上期は前期比43%減なので、2015年12月期の決算数値は2014年と比較し悪化するだろう。

分析を終えて

決算数値がコモディティ価格に左右されるため、過去のPERはあまり参考にならないかもしれません。BHP Billitonと同様、景気循環株なので、コモディティ価格が下落している今のうちに買っておいて、次の資源ブームまでジッと我慢するというのがこの株への投資法だと思います。

投下資本利益率はBHP Billitonのほうが良い数値です。個人的にはBHP Billitonのほうが良い企業といえると思います。しかし、あくまでそれぞれの株価の割高割安を分析してからでないと購入しなければなりません。株式投資の難しいところは、良い企業でも株価が高すぎれば買ってはならないというところです。

当ブログでは目標株価を設定することはしません。あくまでも良い企業をそこそこの株価であれば買い、ジッと持っておくというのが私の株式投資のスタイルだからです。

Rio Tinto社はいろいろな鉱物を生産していますが、思ったよりも鉄鉱石の貢献が大きいことが分かりました。中国は景気減速で鉄鉱石需要も減るでしょうが、中長期的にはインドや東南アジアの建設需要が期待できるのではないかと思います。

鉄鉱石の生産地域は主にカナダとオーストラリアですが中でもオーストラリア西北部ピルバラ地域の鉄鉱石鉱区が同社の主力生産地域となっています。

弁護士事務所のページには、Rio Tinto社が建設したピルバラ地域の鉄鉱石輸送用の自社鉄道について他社にも使用権を与えるべきか否かについての政府機関の決定が記載されています。政府の結論としては、Rio Tinto社が引き続き独占的に使用可能ということですので、ピルバラ地域の鉄鉱石生産については同社が引き続き優位を占めることになりそうです。もちろんBHP Billitonもピルバラ地域の鉄鉱石輸送用自社鉄道の独占使用が認められていますが。

似たような会社であるBHP Billitonのほうが投下資本利益率が高いこということが分析の結果分かりました。Rio Tinto社のほうが明らかに割安にならない限り、どちらかに投資するとなればBHP Billitonかなと思っています。

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