【銘柄分析】Aristocrat Leisure 〔2014年9月期〕

ASX上場企業のAristocrat Leisure(ティッカーコード:ALLの分析を行います。カジノにあるスロットマシーンの製造業者です。先日分析した、Ainsworth Game Technologyの競合企業となります。

会社概要

1953年創業、1996年にASXに上場。創業者は、Ainsworth Game Technologyの創業者でもあるLen Ainsworth氏。彼の家族が未だにAristocratのかなりの株を持っている。

ビジネスモデルとしてはAinsowrthと同様で、カジノに設置するスロットマシンの製造販売である。日本のパチンコ屋にもパチスロ機を販売していた。日本における事業はフィールズ社に譲渡した。

会計年度は10月~9月。2014年9月期の売上はおよそ8億7千万豪ドル((円/豪ドル=85円とすると約740億円)、純利益は-1億6000万豪ドル(約65億円)。赤字の原因は、約3億3千万ドルの資産売却損で、維持的なものである。

過去に売上が12億ドルを超え、オーストラリアのマーケットシェアの70%を占めていたこともあったが、南オーストラリア州や米国ネバダ州でのスロットマシン販売ライセンス剥奪などの事態が発生し2010年には約6億8千万ドルに売上が減ってしまった。これ以降は売上が回復しつつある。

株価はグーグルファイナンスで確認可能。IR資料はAristocrat Leisure社のIRページで確認できる。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去10年間の数値をまとめた。ALL 売上推移

  • 2005年と比較すると、2014年の売上は下降気味。
  • 2012年に会計年度を1月~12月から10月~9月に変更。この表の2012年度の売上は、10月~9月に直してある。
  • 2010年の販売ライセンス剥奪以降特に売上が減少。
  • 表には記載していないが、2015年度上半期の売上は約7億豪ドルと大幅に上昇。2014年にアメリカの同業Video Gaming Technologyを買収したため北米の売上が大幅に上がったことによる。

2014年9月30日のバランスシートをまとめた。いつもの通り、項目は省略してある。ALL BS

有利子負債比率が約10.2%と低い。良好な財務体質である。

キャッシュフローに推移は以下の通り。ALL CF

基本的に営業キャッシュフロー内で投資を行っている。配当は業績が悪化した2010年からは年々順調に増えている。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

先日のAinsworth Game Technologyの記事を参照いただきたい。競合はAinsworth Game TechnologyやイタリアのG Techなど。

最近の状況

  • 2015年9月期上半期の売上は上記でも記載したが約7億豪ドルと売上が上昇。アメリカのVideo Gaming Technologyを買収し、北米でのオーストラリアでの売上を伸ばした。また、地元オーストラリアでもAinsworth社よりも売上を伸ばしている。

リスク

なんといっても最大のリスクは販売ライセンス剥奪。2010年にアメリカのネバダ州およびオーストラリアの南オーストラリア州でライセンス剥奪されたのが売上急減の要因である。なんらかの原因で販売ライセンスが剥奪されると、売上が急減することになる。

今後の展開

経済が順調な北米を中心に販売を拡大する予定である。また、オンライン販売を強化していく。Aristocrat社投資家向け資料の34ページに、オンライン上のソーシャルカジノ市場規模が記載されている。毎年16%の市場拡大が続いており、2015年には35億米ドル(約4200億円)の市場になっている。Aristocrat社はソーシャルカジノ市場で10位の売上高とのことである。

過去の株式バリュエーション

過去の株価と一株あたり利益、PER等をまとめた。ALL PER

2014年度は純利益が赤字だったためPERの数値がマイナスになっている。黒字の年は20~30倍程度である。

分析を終えて

オーストラリアには大手スロットマシンメーカーが2つあり、前回のAinsworthに続いて最大手のAristocratを今回分析しました。大きいほうが販売や研究開発費などでスケールメリットを得やすいと思います。

私がAristocratでなくAinsworthを保有する理由は、株価が安いこと、投下資本利益率が高い、という2点です。しかし、私の判断が正しいかどうかは分かりません。もしかしたらAristocrat社が市場を制覇し、Ainsworth社の売上が伸びない可能性もあります。

しかしながら、カジノ運営会社としても競争をさせるために複数のスロットメーカーが共存することを望むでしょうし、Ainsworth社も実際に売上を伸ばしています。小さい分、規模の経済という面では不利ではあるものの伸びしろも大きいと思います。ただし、この考え方は論理的に考えた結論ではなく私の単なる願望と言えます。今後どうなるか、私のAinsworthに対する賭けはあたるのか、今後も注意していきたいと思います。

 

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