【銘柄分析】BHP Billiton (BHP) 〔2015年6月期〕

ASX上場のBHP Billiton(ティッカーコード:BHP)の2015年6月期の年次報告書を分析しようと思います。

2014年6月期の分析記事でおおよそのことは分析していますので、簡略に記載していきたいと思います。

2015年6月期の概要

BHP Billitonの事業のうち、マンガン生産など比較的小規模な事業を切り離し、新会社のSouth32に移管。(ちなみにSouth 32の社名は、本社所在地パースが南緯32度に位置しているからとのこと)

主な事業は4つ。石油ガス・銅・鉄鉱石・石炭である。

株価はグーグルファイナンスにて確認可能。

BHP BillitonのIRページはこちら。

この会社は決算を米ドルで算出している。私は豪ドルベースで投資・配当金を受け取っているため、豪ドル換算の数値を下記に示す。

財務諸表分析

2015年6月期を含めた財務諸表は下記の通り。

revenue BHP

South 32に移管した事業以外の、石油ガス・銅・鉄鉱石・石炭事業の売り上げおよび利益は上記のとおり。2015年に純利益率が6%と大幅に下落している。また、注意していただきたいのは、2014年までのバランスシート数値はSouth 32に移管した事業を含む数値である。BHPによると、「BSの過去数値を修正して提示する義務がない」ので、過去と同じ数値を掲載しているとのこと。ちょっと不親切な気がするが、無くても株式購入の意思決定に大きな影響を与えないと思う。

売上・利益の大幅下落はコモディティ価格の下落が原因。下記に2015年6月期のIRレポートからグラフを貼付した。

BHP Commodity Price

2014年と比較しても2015年のコモディティ価格は、石油ガス・銅・鉄鉱石・石炭すべてにおいて下落している。

バランスシートを科目を簡略化して日本語でまとめた。詳細はBHP Billiton 2015年6月期 Annual Reportの208ページを参照いただきたい。

BHP BS

2014年に引き続き、負債比率は低く、財務体質はよいといえるだろう。

キャッシュフローは以下の通り。

BHP Cashflow2015

これまたSouth 32への事業スピンオフで、単純に比較できるのが過去3年間の数値のみだが、基本的にフリーキャッシュフローが積みあがっていることがわかる。ただし、配当金の支払がキャッシュフローと比較して大きく、2015年もフリーキャッシュフロー<配当金支払金額 となっており、この配当金額が持続可能とはいえない。

事業別売上・利益率の推移は以下の通り。

BHP 事業別売上2015

やはり鉄鉱石の儲けが非常に大きい。反面、石炭はあまり利益率が高くない。リオ・ティントの分析記事を参照いただくと、リオ・ティントも同じく鉄鉱石の利益が非常に大きい。

両社ともにオーストラリア北西部のピルバラ地域に広大な鉄鉱石鉱山を保有しており、自社専用鉄道を建設して非常に低いコストで鉄鉱石の生産を行っている。リオ・ティントほどではないものの、BHPも鉄鉱石の利益貢献が大きいことがわかる。

最近の状況

  • (繰り返しになるが)2015年に「South32」という会社を設立し、比較的小規模な事業をすべてこの新会社に移管。
  • 株価が下落しており、2015年11月9日現在では21.42豪ドルと非常に低い。2006年以来の低い株価である。
  • 所有するブラジルの鉱山で、鉱滓ダムが決壊し、付近の村が飲み込まれるという事件が先週発生。Andrew Mackenzie CEOが現地に飛んで対応しているとのこと。まずは人命救助が第一だが、不謹慎ながら株主目線で考えるとどのような損害賠償がBHPに課せられるのか、注視する必要がある。

今後の展開(予想)

  • コモディティ価格の動向で売上・利益が決まる。短期的には中国の景気次第である。長期的には新興国における都市化に進展・人口増でコモディティ価格も上昇していくと考えている。BHPも長期的にはコモディティ需要が上がると強気の予想を発表している。
  • このままの配当金支払を維持できないだろう、という新聞記事も多数散見されるほか、上記のとおり数値からも配当金支払の維持は困難と思われる。このまましばらくコモディティ価格が上がらなければ、どこかのタイミングで「配当金を減らす」という発表がある可能性がある。

株式バリュエーション

過去5年のASX上場のBHP Billiton Limited の株価と一株当たり利益および配当が以下の通り。※ロンドン市場上場のBHP Billiton Plcや、アメリカADRの数値ではないので注意。

BHP Share 2015

2015年では配当利回りが7%に迫っている。2015年の株価は2015年11月9日の株価である。

グーグルファイナンスのBHP Billiton LimitedのPERや配当利回りとなぜか異なる。上記数値はAnnual Reportから抜き出したはずなのだが、グーグルファイナンスの数値が予想値だからなのか、不明。しかし株式投資では漠然と正しければOKだと個人的に考えているので、少しくらい違っていても問題ないだろう。

配当利回りが非常に高いが、上述の通り配当金支払をカットする可能性があるため、7%近い配当金を期待しないほうが良いだろう。

分析を終えて

やはりオーストラリア市場で一番時価総額が高いだけに、こちらの新聞ではBHP Billitonに関する記事が多く掲載されています。基本的には内容があまり無い記事ばかりですが、今後1~2年は同社株の上昇は期待できないという論調が大半を占めています。

同社CEOは今後の「配当金払いを維持できる」とか、「今後はコモディティ価格が回復する」とか強気の発言を繰り返していますが、現在の水準の配当金払いを継続するのは困難だろうと考えられます。

2か月くらい前、こちらで非常に人気のあるスポーツ「オーストラリアンフットボール」を観戦したとき、たまたま横に座っていたおじさんがBHP Billitonの人でした。ちょうどこのブログで分析していたこともあり、いろいろBHPのビジネスについて質問してみました。その人は本社の財務経理担当らしいのですが、「鉄鉱石ビジネスが一番ぼろ儲けで、数年前は笑いが止まらないレベルだった」と言っていました。

また、「BHPでは、どの事業も本質的には非常に単純なビジネスだ。天然資源を見つけて経済的に採掘するというもの。いかに大規模な資源がある鉱区を保有し、効率的に運営するかが勝負だ」とも言っていました。リオティントも似たようなもんだ、ともその人は言っていました。

しばらくビジネスについて話をした後、「お前は日本人なのに、よく知っているな。まるでスパイみたいだな。俺の嫁さんなんかまーったくビジネスについてはわかってないよ!」とか言うもんだから隣に座っていた奥さんが若干ムスッとした顔になっていましたが・・・。

以前の記事でも紹介しましたが、10月24日にBHP Billiton株を23.7豪ドルで購入しました。今は21.4ドルとさらに下落してしまいました。。長期的にはまた上がると思いますので気長に保有しようと思います。

 

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