【銘柄分析】Ozforex (OFX) 〔2016年度上半期〕

ASX上場企業であるOzforex(ティッカーコード:OFX)が2016年度上半期(2015年4月~9月末)の事業報告を行いましたので、紹介させてもらいます。ちなみに私はOzforexの株を所有しています。事業報告のプレゼンテーションを視聴することができます。(英語ですが…)

Ozforexはオンライン上で格安で国際送金サービスを提供する会社です。詳細は2015年8月の記事をご覧ください。

2016年度上半期(2015年4月~9月)の業績

2015年8月に行われた年次総会で同社CEOは今後3年間の計画を述べた。

  • 向こう3年で売上を約2倍(2億豪ドル、約180億円)に伸ばす。そのために2017年度、2018年度に2,000万豪ドル(約18億円)をマーケティングに投じる。設備投資、運営費を半分にする。
  • 小額取引を増やす(最低取引金額を1000豪ドルから250豪ドルにする。)
  • スマホでの取引できるようにする。
  • アメリカにおけるプレゼンスを高める。

この計画を実現すべく、2016年度上半期は下記のような活動を行った。

  • スマホで取引するためのアプリの利用開始。
  • 最低取引金額を250豪ドルに引き下げ
  • 会計ソフト提供会社のXeroと業務提携(Xeroが提供するプラットフォームで国際送金を行えば、自動的にOzforexのサービスを使うことになるとのこと。)
  • マーケティング、技術に投資

結果として、業績は下記のとおり。

OFX 1H2016 financial resultsOzforexが行った国際送金額は前年同期比34%増、売上(送金手数料)は29%増の53.6百万豪ドル(となっている。ただし、マーケティングや技術への投資額が大幅に増えた(前年同期38%増)ため、最終利益は12%増の12.3百万ドルとなっている。とはいえ純利益率は22.9%と非常に高い。

売上の詳細分析

Ozforexは

取引回数×1回当たり取引金額×手数料率=売上

という収益構造を持っている。

下記に売上に関連するパラメーターの推移を示した図表を添付している。

ofx 1h2016 topline metrics

これを見ると、利用者数、1回あたり取引金額、取引回数がすべて前年同期比15%以上の伸びを示していることがわかる。

 

Ozforex自身は既存顧客が引き続き自社サービスを利用してくれるか、という点を重視しているようである。

ofx 1h2016 repeat customerbase

上の表はパッと見ではよくわからないが、Ozforexのサービスの利用者のおおよそ8割程度は引き続きサービスを利用しているということを示している。2016年度上半期をみると、おおよそ全体の75%程度(一番上の濃い青い部分以外)が既存顧客からの手数料であることがわかる。

地域別売上は下記のとおり。ofx1h2016segmentincome

どの地域も順調にのびているが、特に北米では売上57%増と非常に大きい伸びを示している。全体で30%の手数料の伸びを実現した一方で、取引のための費用(Transaction Costs)が41%も増えているが、プレゼンの場でも具体的な説明が無かったのが気になる点ではある。

その他

バランスシートは引き続き無借金で、非常に財務体質は良好である。

Ozforexは国際送金の際に銀行から資金を調達している。現座の取引銀行は14銀行ほどといわれているが、今年初めに大手銀行のWestpac BankがOzforexとの取引を取り止めたことが大きなニュースとなった。もし他の銀行がすべてOzforexとの取引を終了する場合は、Ozforexは資金調達ができなくなり、国際送金サービスを提供することができなくなる。これがこの会社の最大のリスクであるといえる。

プレゼンテーションでは、CEOが「むしろアメリカなどの銀行が新たにわが社と取引を開始している」と述べていたが、依然としてリスク要因として注視する必要があるだろう。

また、株価は2015年11月13日時点で2.63ドルで時価総額が6億3100万ドルと(約549億円)、PERは25倍超と依然として割高ではある。もし会社の計画通り2018年までに2015年比売上(そして利益も)2倍を達成できるならば、この株価でも割安かもしれない。

最後に(個人的な感想)

個人的には、Ozforexは2015年の8月に示した「向こう3年で売上高2倍」という計画に向かって順調に事業を進めているように思います。3年で2倍にするには1年間で26%程度の成長を実現する必要がありますが、売上は29%増でこの数値はクリアしています。しか技術やマーケティングへの投資費用がかさんで、純利益の伸びは12%にとどまっています。いかにコストを抑えつつ成長を実現するかがこの会社の今後の課題といえるでしょう。しかし、一度少額の国際送金において独占的な地位を占めることができれば、より収益力の高い成長を実現することができると思います。

私は、新規参入の難易度によってビジネスの収益性が大部分が定義されると考えています。近年のマネーロンダリング規制の強化に伴い、国際送金ビジネスへの新規参入は非常に難しいといえます。Ozforexは新規参入が困難なビジネスを行っているので、今後も高い収益力を維持できると私自身は思います。とはいえすでに市場には競合企業もひしめいているわけで、今後は価格競争にさらされ収益性が落ちてしまう可能性も否定できません。今回のOzforexによるプレゼンでは、現在のところ競合企業には苦戦はしていないということでしたが、今後も同業他社との競争については注意する必要があります。

PERが25倍とすでにあまり魅力的でない株価ではあるものの、配当利率が2%後半(純利益の70%程度を配当として還元)もある成長株なので、引き続き保有しようと考えています。

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