【銘柄分析】Spark Infrastructure(SKI)〔2015年12月期〕

ASX上場のオーストラリア株であるSpark Infrastructure (ティッカーコード:SKI)の分析記事となります。これまでAPA, Duet Group, Ausnet Service、とガスパイプライン&送配電線を保有・運営するインフラ会社を紹介しました。Spark Infrastructureも複数の送配電線資産を保有する会社です。非常に安定的なビジネスでありかつ、配当利率は5%を超えているという、配当狙いの投資家にはうってつけの投資対象だと思います。

会社概要

Spark Infrastructure (以下、スパーク)は主に4つの資産を保有している。

  • 南オーストラリア州の配電網「SA Power Networks」の49%権益
  • ヴィクトリア州中心部の配電網「Citi Power」の49%権益
  • ヴィクトリア州西部の配電網「Powercor」の49%権益
  • ニューサウスウェールズ州の高圧送電網「TransGrid」の15.01%権益
  • オーストラリアASX上場のDuet Groupの株式11%

SKI business

会計年度は1月~12月。2015年12月期の売上は2.8億豪ドル(約238億円)。純利益は1億2千万豪ドル(約102億円)。

2016年4月29日現在、時価総額は35億豪ドル(約2975億円)、PERは約29倍。配当利率は5.8%である。株価はグーグルファイナンスで確認可能。

財務諸表分析

スパークのAnnual Reportから過去10年間の財務数値をエクセルでまとめた。

2015skiBS

投下資本利益率は低いものの、安定的に収益を伸ばしている。

2015年12月31日のバランスシートは以下の通り。

2015skibalancesheet

有利子負債比率は5.4%と低い。※保有する送配電網は資産ではなく「投資」のカテゴリに入っている。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

2015skicashflow

ほぼ毎年営業CF+投資CFはプラスである。2015年にはシドニーのあるニューサウスウェールズ州の高圧送電網TransGridの権益を取得したため、投資CFが大幅なマイナスになっている。

ビジネスモデル分析(高収益の原因)

以前のAusnet Serviceの記事にてインフラ企業のビジネスモデル分析を行ったので参照してほしい。政府より送配電網の所有運営を認可されており、料金規制で確実に儲けが出るようなビジネスモデルである。その代り収益の上振れも期待できない。リスクについてもAusnet Serviceの記事を参照していただきたい。

最近の状況

上記にも記載したが、ニューサウスウェールズ州の公営電力公社「TransGrid」が民営され、2015年にHastings fundとのコンソーシアム組んで買収、15.01%の権益を取得。

今後の展開

ニューサウスウェールズ州はTransGridの他に配電網の民営化を進めているが、この取得は目指さないとしている。また11%をDuet Group株式については、今後どうしていくか(売るのか、保有するのか、買い増すのか)を検討するとしている。

過去の株式バリュエーション

株価はグーグルファイナンスで確認可能。過去の配当利回りなどは下記の通り。

2015skisharepricehistory

配当利回りは近年は6%超である。

分析を終えて

オーストラリアではパイプライン・送配電線ビジネスの大手企業は4社ASXに上場しています。APA, Duet Group, Ausnet ServiceそしてこのSpark Infrastructureです。パイプライン・送配電網ビジネスは政府による料金規制も相まって非常に安定的な収益を期待できます。これらの企業は毎年きっちり配当金支払を行っていますし、現在の株価だと配当利率も5%を超えています。

安定的なビジネスですが、リスクもあります。ソーラーパネルや蓄電池の技術革新・コストダウンにより、各家庭が送配電網に接続せず自家発電により電気をつくり消費するので、将来的には送配電網ビジネスは成り立たなくなるのではないか、と論じる新聞記事を目にします。個人的には全家庭・全消費者がソーラーパネルによる自家発電をすることはないと思いますが送電網の収益性は減るかもしれません。実際、家庭用の1件あたりの電力消費量はソーラーパネルの普及もあり減少しています。しかしながら、すぐに送電線ビジネスが成り立たなくなるわけではないでしょう。そもそも日本と違い人口は増加しているので、送電線を通る電気の絶対量は増えると考えられます。向こう10年はビジネスとして問題ないと思います。

個人的にはまず100万ドルの資産を築いてから、こういった安定配当株に投資をしていきたいと考えています。

【銘柄分析】Spark Infrastructure(SKI)〔2015年12月期〕」への6件のフィードバック

  1. デイちゃん

    こんにちは。
    日本は連休中ですが、オーストラリアは連休はないんですよね?

    日本の証券会社では、インフラ系の会社を買えないみたいで、残念です。
    定期的に安定したキャッシュフローが見込める会社っていいですね。流行り廃れがある業種の会社の株は、長期保有は難しいかもしれませんね。

    私は今、母親が末期がんであと少しの命と言われ、付き添いで病室に泊まりこみしています。
    夕方病室に行き、朝方家に帰って寝ています。
    タブレット持ってれば、病室でも投資情報見れたのかなあ・・・と思いつつ、ハゲタカなどの小説や、マネ-◯◯みたいな金融系の雑誌を買って読んでいます。
    オーストラリアでも、金融雑誌はあるんですか?(笑)

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      デイちゃんさん

      お母さまのご看病、大変かと思いますがご一緒に過ごす大切な時間だと思います。デイちゃんさんのような方がいらっしゃって、お母さまも幸せに感じていらっしゃるのではないでしょうか。
      お母さまとひと時でも長くご一緒にお過ごしするよう、お祈り申し上げます。

      オーストラリアでは連休はございません。先週月曜日はANZAC Dayで休日だったので土日月の3連休でした。こちらの連休は3月のイースターですね。
      日本の証券会社からはインフラ系の会社の株は買えないんですか・・・。早くネット証券にオーストラリア株の取り扱いを進めてほしいところです。絶対にニーズはあるの思うのですが・・・。ネット証券の方このブログ読んでくれてますかね~?

      オーストラリアは金融雑誌一応あります。が、日本ほど種類は多くないです。私はもっぱらこちらの経済紙Australian Financial Reviewを読んでいます。そもそも日本ほど書店もありませんし売ってる雑誌もアウトドアとかスポーツとか車が主ですね。。

      そういえば、ウォーレン・バフェットが「銀行株を買うとしたらオーストラリアの銀行を買う。」という発言をバークシャーハサウェイの年次総会でしたようですね。こちらの新聞でも取り上げられていて、「オーストラリアの銀行は、ビジネスへの貸付や住宅ローンなど、従来の銀行のビジネスをまだまだ伸ばしている。一方先進国では日本欧州を筆頭に金利が安く、銀行が収益を上げづらい。また、収益を上げようとデリバティブに手をだしており健全ではない」といった論調の記事がありました。

      私は金融業界にまったく馴染みがなく、どの銀行がどう他行と比べて良いのか悪いのか、サッパリわかりません。(勉強不足ですみません。)4大銀行ともに配当利率は5%を超えていますし、他の先進国と比べ高金利の経済でかつ、まだまだ人口増が続くオーストラリアでは、銀行のさらなる発展を望めるのではないでしょうか。個人的には4銀行とも全部買って「高配当銀行株ポートフォリオ」を組むのもいいアイディアだと思います。短期的には規制強化や資源関係ビジネスへの貸し出しの焦げ付きなどで配当金支払が減ってしまうかもしれませんが、向こう10年は配当金の額も増えていくと思います。

      返信
      1. デイちゃん

        こんにちは。

        ANZ、NABなどは、配当を株式でもらうこともできるので、税金がかからず投資効率がいいですね。
        株を持ってれば、勝手に株数が増えていくという。

        バフェットは、ウェルス・ファーゴみたいな、伝統的な貸付業務に集中してるような堅実な?銀行が好きなんです。投資銀行は大嫌い。
        なので、オーストラリアの銀行が、銀行本来の貸付などの業務にある程度力をいれていることを評価してるんでしょうね。

        母親ですが、今朝、永眠しました。
        最期を看取ることはできたのですが、やはり死ぬ直前は苦しみましたね。
        いくら緩和ケアと言っても、痛みや苦しみを完全には取り除けないので・・。
        4年におよぶ闘病生活でした。とても長かったです。

        返信
        1. ディンゴ 投稿作成者

          デイちゃんさんへ

          お母さまのご冥福をお祈り申し上げます。今後は天国からデイちゃんさんを見守り続けられると思います。

          確かに、株で配当もらうと税金を繰延できるのでいいですよね。
          私は現金でもらうようにしています。まあ大した額でないというのもありますし、忘れたころにい配当を現金でもらったら棚からぼた餅みたいでうれしいから、というのが理由です。
          経済的には合理的ではないですけどね。

          返信
  2. くみクマ

    (*’-‘*)ノはじめましてヽ(*’-‘*)
    オーストラリアで専業主婦をしています。
    投資経験がないのでこちらで少しづつ勉強させて頂いています。 英語力不足なのでこちらのブログはとても有難く力強い存在です。
    手数料無料の証券会社がサービスを始めたら、いくつか投資をしてみたいと思っています。
    これからも情報発信 宜しくお願いします!

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      くみクマさん

      はじめまして、コメントありがとうございます。
      オーストラリア、市場規模はそこそこ大きいのに日本で誰も投資ブログやってないですよね。米国株とか中国株ブログはたくさん見かけますが。
      オーストラリア株に投資している人もいるだろうな、と思い自分の投資記録もかねて細々とこのブログをやっています。更新速度が遅く申し訳ないですが、これからも続けていこうと思っているのでよろしくお願いします。
      手数料無料のRobinhood、早く使いたいですね~。一応Waiting Listには登録しましたけど、いつ使えるのやら・・・。

      返信

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