【銘柄分析】BWP Trust (BWP)〔2016年6月期〕

今回はASX上場のReitを紹介したいと思います。オーストラリアに暮らしたことがあるなら誰もが一度は訪れる、Bunnings Warehouseの建屋を保有し、Bunnings Warehouse社に貸して賃料を得るというビジネスモデルのReit, BWP Trustについて分析します。社名はそのまま、Bunnings Warehouse Property の略称です。以前紹介したAsia Pacific Data Centreと同じような非常に単純なビジネスモデルです。

Bunningsはオーストラリアとニュージーランドに展開するホームセンターチェーンで、親会社のWesfarmersにより保有されています。ホームセンターといえばBunningsというほど、オーストラリアでは身近な会社です。

会社概要

1998年に上場。Bunnings Warehouseの店舗建屋を保有・運営し、Bunnings Warehouse社に貸して賃料を得ている。Bunnings Warehouse社は、オーストラリアの大手コングロマリットWesfarmersの傘下にある企業である。BWP Trustの株のうち、24.75%はWesfarmersにより保有されている。

会計年度は7月~6月。2016年度6月期の売上高はおよそ1億5,000万豪ドル((円/豪ドル=80円とすると約120億円)、純利益は1億800万豪ドル(約86億円)。

株価はグーグルファイナンスで確認可能。IR情報はBWP Trust投資家向けページで確認することができる。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去のデータをまとめた。

  • 過去10年間で売上は順調に上がっている。
  • 毎年のPERの分母に当たるのは「株主に帰属する利益」である。これは、税引き後純利益+未実現値上がり益 により計算される。未実現値上がり益とは、保有物件の不動産価値上昇分である。

2016年6月30日のバランスシートを日本語でまとめた。分かりやすさを重視するため項目を絞っている。詳細はBWP Trust Annual Reportを参照いただきたい。

BWP BS

有利子負債比率は21.4%と低い。賃料のとりっぱぐれも考えにくく、有利子負債も多額でないので財務的には問題ないといえるだろう。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

BWP CF

この10年で物件を24件取得しており、営業CFに比べ、投資CFが大幅にマイナスとなった。ここ2年はフリーキャッシュフローは黒字となっている。資金調達は主に増資にて行っている。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

BWPのビジネスモデルは不動産の大家さんと同じ。

【競合企業の新規参入】

競合他社が、より低コストで物件を仕入れてBunnings Warehouse社に賃貸する可能性もある。しかし、BWPは24.75%をBunnings Warehouse社の親会社Wesfarmersが保有しており、わざわざ競合に乗り換えるようなことはしないと思われる。

【無形資産】

特に見当たらない。

【スイッチングコスト】

基本的にスイッチングコストは高くない。しかし、同一地域内でBunnings Warehouseの店舗を展開できる建屋はあまりないため、BWP保有の物件の契約年数が過ぎても、契約は継続すると思われる。

【ネットワーク効果】

なし

【コスト優位性】

無いと思われる。BWPが安く土地を仕入れ、物件を建築できるとは考えにくい。

【まとめ】

はっきり言って特に強みはないが、Wesfarmersとの関係から、突然危機的な状況に陥ることはないだろう。

最近の状況

  • 特に大きな動きはない。

リスク

ほとんどの物件がBunnings Warehouse社向けに賃貸されていることがリスクではある。Bunnings Warehouse社の経営が傾けば、BWPの経営に影響を与えるだろう。しかし。Bunnings Warehouse社は絶好調で、競合の小売大手ウールワース傘下のMastersが不調ということもあり、オーストラリア国内では現在のところ向かうとところ敵なしである。というわけでBunning社は今後も順調に売り上げ利益を伸ばしていくと考えられ、BWPにとってのリスクもそこまで大きくないだろう。ただし、賃料交渉で譲歩を迫られ、売上が減少する可能性は排除できない。

今後の展開

Bunnings Warehouse社は現時点で300店舗以上展開しており、2016年度も売上は8%程度増加した。Bunnings Warehouse社によると、オーストラリアにおける日曜大工・住宅リノベーションにかかわるマーケットにおいて約19%のシェアを占めているとのことで、今後もマーケットシェアを上げるべく事業を展開するとのこと。というわけで、BWPにとってもまだまだ成長の余地は残っているだろう。

過去の株式バリュエーション

過去の株価と一株あたり利益、PER等をまとめた。

BWP 株価推移

2016年8月5日現在だと株価は3.66ドル、PERが約7.4倍。配当利回りは約4.6%。

分析を終えて

上記の通りBWP Trustのビジネスモデル自体は非常に単純で、Bunnings Warehouse社向けに店舗を貸すだけです。

オーストラリア住んでいると分かりますが、みんな平屋のだだっ広い家に住んでいます。国民の多くが自宅のリノベーションに熱心であると言えます。ホームセンター市場はこれからも益々伸びると思います。

個人的な感覚だと、街を運転するとどこでもBunningsの店舗があり、ホームセンター市場では50%を超えるシェアがあると思います。ホームセンター市場をどう定義するかでシェアも異なるのでしょうが、Bunnings Warehouse社自体は19%のシェアしかないと言っているのが意外でした。まだまだ成長するぞ、ということかと思います。

絶好調のBunningsですがこの会社自体はWesfarmers傘下なので直接投資はできません。今後のホームセンター市場およびBunnings Warehouse社の伸びの恩恵を受けたい、ということであればBWP Trustも良い投資先候補かなと思います。

 

 

【銘柄分析】BWP Trust (BWP)〔2016年6月期〕」への4件のフィードバック

  1. デイちゃん

    こんにちは。こちらはとても暑いのですが、そちらはどうですか?今は冬ですよね?

    色々情報ありがとうございます。現地にいないと、わからないことばっかりですね。(^-^)
    Wesfarmersでもいいかな・・・と思ってのですが、結局買わないままでした。(-_-)

    マッコーリとか、株価がするすると上がってきて、いったん売却したほうがよいかも?と思って、野村証券に電話したら、「今ロイズの3.68%の利回りの豪ドル債があって、20万豪ドル以上1万豪ドル単位で買える」って言われて。
    今持ってる豪株を全部売ったら、28万豪ドルくらいになって、今豪ドルベースでは損益はトントンくらいなので、あわてて豪株を全部売って、ロイズの豪ドル債を買いました。
    とりあえず、いったん、豪株とはさよならです。とてもいい経験をしました。

    でもオーストラリア自体は成長すると思うので、また機会があったら、参戦しようとおもいます。豪ドル建ての債券はたんまり持っていますし。あ、大和はまだ豪株ちょっと残ってる。(笑)

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      デイちゃんさん

      こちらは朝夕は肌寒いですが、昼は過ごしやすいですね、日本は暑いということで・・・体調にはお気を付けください。
      なんと28万豪ドルもお持ちなんですね・・・。うらやましいです!3%後半の利回りがある債券であれば良い投資先なのではと思います。
      私はのんびり豪株の運用を続けて、四半期に1回、このブログで成績を公開していきます。
      この1年あまり進歩がないですが・・・、まあぼちぼち上がることを信じて株の運用を続けたいと思います!

      返信
      1. デイちゃん

        こんにちは。
        私は外国株を全部売却して、外国債券にかえました。
        外国株を買うのはとても楽しかったのですけど、やっぱり私は外国債券の人。
        いったん、外債にすることにしました。
        今ちょっと市場は不安定だと思うので・・・。
        でも、オーストラリア株投資のブログはなかなかないので、更新楽しみにしています。
        ではでは。

        返信
        1. ディンゴ 投稿作成者

          デイちゃんさん

          今後金利が上がると株より債券かもしれないですね。私は債権投資の経験がないのですが、頑張ってください!

          返信

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