【銘柄分析】Maquarie Atlas Roads(MQA)〔2016年12月期〕

以前の記事でオーストラリアとアメリカで有料道路を保有・運営する会社であるTransurbanを紹介しましたが、今回はフランス・ドイツ・アメリカそしてイギリスで有料道路を保有運営する会社であるMaquarie Atlas Roadを紹介します。

この会社は、オーストラリアでの大手金融機関であるMaquarie の関連企業であったMacquarie Infrastructure Groupが2010年に再編されてできた企業です。配当金の支払いは2013年に開始したので、2013年以降の数値をご紹介したいと思います。

会社概要

Macquarie Atlas Roads(MQA)は2010年に前身のMacquarie Infrastructure GroupがIntollとMQAに再編されて設立された、有料道路の保有・運営企業。本社はニューサウスウェールズ州のシドニーである。

政府から有料道路の建設・保有・運営の権利を獲得し、通行料を車両から徴収するというビジネスモデル。保有している道路は下記の通り。

フランスの有料道路APRRはMQAの資産の大部分を占める、全長2300キロにも上る有料道路網である。APRRはフランスで2番目、ヨーロッパで4番目の規模の有料道路網である。MQAはAPRRの20.14%の権益を保有している。MQAのAPRRの保有・運営権は2035年までである。

ADELACはアヌシーとジュネーブを結ぶ20キロの有料道路である。MQAは20.15%の権益を保有している。MQAの保有・運営権は2060年までである。

Greenwayはアメリカの首都ワシントンDCの郊外にある22キロの有料道路である。MQAは50%の権益を保有しており、保有・運営権は2060年までである。

ドイツのWarnowトンネルとイギリスのM6 Tollの2つの有料道路について、MQAは配当は受け取らず単に道路運営に関する対価のみを受け取っている。つまり、権益は保有しておらず、道路運営の請負のみを行っている。

会計年度は1月~12月。2016年12月期の売上は約2.4億豪ドル(約204億円:AUD/JPY=85) 。純利益は2.3億豪ドル(約196億円)。収入のほぼすべてが保有する有料道路からの受取配当金で、MQA自身は単なる投資ヴィークルのため、売上=利益という構造になっている。

株価はグーグルファイナンスで確認できる。IR情報は同社ホームページより確認できる。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去のデータをまとめた。会社の再編から、配当を開始した2013年からまとめた。

上記の記載したが、売上は有料道路の管理による受け取る管理費で、その他は保有する資産からの受け取り配当金である。よって、売上よりも税引き利益が大きな数値になっている。2013年にはM6 Tollの権益を売却したため、税引き後利益が非常に大きな数値になっている。

2016年12月31日のバランスシートは以下の通り。

資産のほとんどが道路資産への投資である。単に「証券を持っている箱」状態である。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

基本的に投資CFが受取配当金であり、この受取配当金>財務CFであれば将来もキャッシュに困ることはないだろう。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

特に高収益というわけではないが、政府に認可された料金で通行料を徴収するというビジネスモデル。Transurbanを紹介した以前の記事を参照いただきたい。

 

最近の状況

2017年2月に保有するアメリカのワシントンDC近郊の有料道路の権益のうち残り50%の権益を購入した。

リスク

Transurbanの記事と同じコメントになるが、政府による運営権取り消しと、通行量の減少がリスクである。全社は、よほどのことが無い限り発生しないが、通行量についてはリスク要因となる。主力の有料道路APRRがあるフランスでは人口が増えており、通行量が減ることは考えにくい。しかし、今後自動運転が世の中に普及してくると、これまでの道路交通の在り方が劇的に変化する可能性もある。現時点で具体的に予想することはできないが、常に認識する必要はあるだろう。

今後の展開

今後は大きな買収を実施する予定はなく、現在保有している有料道路からの収益を最大化するおtのこと。

過去の株式バリュエーション

過去の株価と一株あたり利益、PER等をまとめた。

株価および配当金は順調に上がっている。2018年度も1株当たり配当金を0.2ドルまで増やす予定である。

分析を終えて

以前ご紹介したTransurban社と同じく、高速道路を保有し、通行料を収入とする会社です。直接資産を保有しBSに計上するのではなく、有価証券・投資としてBSに計上しているため、普通の会社と違い売上ではなく受取配当金のほうが多いというあまり見ない財務諸表の会社です。

とはいえビジネスモデルは単純で、大きな資本でもって有料道路を購入し、通行料で後年にすこしずつ収入を得るというものです。

主力のフランスでは人口がひきつづきゆるやかに増えていますし、EU内での貿易が増えるとトラック輸送量も増えると思われ、APRRならびにMQAも今後爆発的ではないものの、内部成長は可能かと思います。当然、買収による外部成長も可能性はあります。

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