【銘柄分析】Carsales.com.au (CAR)〔2017年6月期〕

今回はオーストラリアの自動車売買のオンライサイト最大手、Carsales.com.au を紹介します。

従来は車を買うとしたらディーラーに行って買う、という方法しかありませんでしたが、インターネットを使った売買も新車・中古車共にここ最近増えています。私はまだ利用したことがないのですが、次に車を買い替えるときは利用してみようかな・・と思います。オーストラリアは日本と違い中古車もそこそこ高いです。個人的には車を買い替えるときには、高い中古より新車がいいですが…。

会社概要

Carsales.com.au(CAR)は1997年にメルボルンで創業。2009年にASXに上場した。

2017年6月期の売上は3億7200万豪ドル(約327億円)、純利益が1億1900万豪ドル(約104億円)と利益率が非常に高い。

自動車のオンラインサイトを運営している。自動車の売り手は手数料を払った植えて同社のサイト売りたい車を掲載し、買い手は同社のサイトから気に入った車を購入するというシンプルなマッチングビジネス。

自動車以外にタイヤといった自動車関連の商品も取り扱っている。

個人だけでなくプロのディーラーも同社のサイトに自動車を登録し、マーケティングに利用している。

CARはプロ向けに自動車販売に関する膨大なデータを提供したり、自動車のクオリティの点検サービスや自動車購入時の金融サービスも提供している。

株価はグーグルファイナンスで確認できる。IR情報は同社ホームページより確認できる。

財務諸表分析

Annual Reportより過去の財務データをまとめた。

2009年の上場以来順調に売上・利益を伸ばしている。2015年ごろから海外の同業を買収するなど本格的にオーストラリア国外に進出している。

2017年6月30日のバランスシートは以下の通り

オンラインサイトの運営ということで、固定資産がほとんどない。有利子負債も総資産の40%未満であり、問題ない水準といえる。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

海外の同業の買収を開始してから投資CFのマイナスが増えているものの、基本的に営業CFの枠内で投資を行っており、キャッシュが安定的に積みあがっていることがわかる。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

ビジネスモデルは非常に単純で、上記の通り「自動車の売り手と買い手をつなぐマッチングビジネス」である。

【競合企業の新規参入】

新規参入を防ぐことは困難だが、後発の競合がCARのシェアを奪っていくのは今となっては非常に難しいと思われる(後述)

【無形資産】

これといってないがオーストラリアでは「自動車のネット売買」といてばCARのサイトと連想する人は多い。

【スイッチングコスト】

下記ネットワーク効果により、自動車の売り手もしくは買い手は、よりよい顧客・より多くの顧客そしてより多くの商品がCARのサイトで見つかる(可能性が高い)ため、他社に乗り換えるのは難しいだろう。

【ネットワーク効果】

まさに典型的なネットワーク効果により高収益を実現しているのがCARである。自動車販売者数が多ければ多いほど、より良い商品が見つかる可能性が高いので買い手が集まる。逆に多くの買い手が訪れるサイトに自分が保有する自動車を掲載したいというのは自然である。同社のサイトを使って売買する人が増えれば増えるほど、同社サイトの価値が上がり、競合よりも多少手数料が高くとも、ますます多くの売り手と買い手がCarsales.com.auに登録することになる。

【コスト優位性】

競合と比べ、CARがコスト優位であるかは不明。しかしオーストラリア国内では最大シェアなため、固定費が多くに配分されるためおそらくもっとも低コストで運営できているものと思われる。同社が保有・運営している海外のオンラインサイトのコスト優位性は、その国のシェアにもよると思われる。

【まとめ】

1997年とインターネット黎明期に自動車のオンラインサイトを立ち上げ、先行者優位で顧客を集め続け、ネットワーク効果による優位性を築き上げた企業といえる。この優位性により、非常に高い利益率を維持し続けている。

最近の状況

創業以来オーストラリア国内での成長を続けていたが、近年海外にも進出している。

2017年6月期では売上・利益共に海外が占める割合は少ないものの、毎年順調に増えている。

現在は12か国に進出しており、下記の地図のように南米と東南アジアそして韓国が主なエリアである。

 

リスク

ネットワーキング効果のある強力なビジネスモデルなので余程のことが無い限り売上・利益が大幅に下がるとは考えにくいが、競合他社がよりよいサービス・手数料を提示し顧客を奪うことは考えられる。

今後の展開

オーストラリア国内ではファイナンスといった周辺ビジネスを拡大させ、海外では同社グループのシェア拡大を推進していくとしている。ブラジルでは経済状況が好転していき、同社の収益に貢献すると認識しているようである。

過去の株式バリュエーション

過去の株価と一株あたり利益、PER等をまとめた。

上場した2009年は10月の株価だが、おおむね順調に株価は上がっている。2014年あたりから株価の上昇幅は限定的で、マーケットからはこれ以上の高成長は望めない、と判断されている可能性がある。一方で配当金は順調に伸びてきている。

分析を終えて

私はCARのようなネットワーク効果のあるビジネスモデルを持つ会社を投資先としたいと思います。100万ドル貯めた後の将来の投資先の有力候補の一つです。

確かにオーストラリア国内で過去10年間のような爆発的な成長はないかもしれませんが、設備投資がなくともビジネスが回るので安定的な配当が期待できます。さらに海外市場はオーストラリアよりも人口規模がはるかに大きく、将来的にはオーストラリア事業を超えるほどの売上・利益をもたらす可能性があります。

個人的には今後も引き続きウォッチしていきたい企業の一つです。

【銘柄分析】Carsales.com.au (CAR)〔2017年6月期〕」への4件のフィードバック

  1. HB

    iCarAsiaの株を数年前から少しだけ持っています。
    ハイリスク・ハイリターンを狙ってですが、今のところマイナスです(笑)。
    まあ10年くらい持ってみるつもりで気長に構えています。

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      HBさん

      お、そうなんですね!常にCarsales.com.auから買収されるのではないかと噂されていますよね。
      仰る通り10年くらいたてば株価は上がると思います。売上上がっても固定費が上がらないので利益が伸び始めたら株価の上昇も早いでしょうね。

      返信
  2. アジア株太郎

    初めまして。
    私はアジア株太郎と申します。
    ベトナム株を中心にやっておりましたが、
    在住の地であるオーストラリア株も視野に入れております。

    オーストラリア株は仕組みも、税制もわからないことばかりですが、
    今後ともよろしくお願いします。

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      アジア株太郎さん

      コメントありがとうございます。
      ぜひオーストラリア株もぜひチャレンジして頂けたらと思います。
      資源や不動産以外にもいろいろな企業があって興味深いです。

      少しずつではありますが、このブログでオーストラリア株を紹介し続けたいと思っています。

      返信

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