【銘柄分析】Centuria Metropolitan Reit(CMA)〔2017年6月期〕

今回はオーストラリアの不動産投資信託(リート)であるCenturia Metropolitan Reit(CMA)をご紹介したいと思います。オーストラリアは今後も人口が増える国であり、不動産投資に適しているものと思います。個人的には今後もオーストラリアの不動産セクターに投資を進めていきたいと考えています。

オーストラリアではリートは人気の投資先であり、一般に”A-Reit”と呼ばれています。

会社概要

Centuria Metropolitan Reit(CMA)は19棟の郊外オフィス物件を保有・運営しているリートである。郊外のオフィスというのは下記の写真のようなもので、19棟すべてオーストラリア国内のオフィス物件である。

都心の大規模なオフィスビルではなく、車で少し走ったところにある小振りなオフィスを同社ではmetropolitan officeと定義している模様である。

CMAの上場は2014年12月と比較的最近だが、関連会社のCenturia Capital Groupは35年ものアセットマネジメントの歴史がある企業である。Centuria Capital Group自身もCNIとしてASXに上場しており、CMAの約20%の持分を保有している。CMAの兄弟ReitとしてCenturia Industrial Reit(CIP)という倉庫などの工業用建屋を保有しているReit(ASX上場)もある。下記の図の通りの関係となっている。

CMAの会計年度は7月~6月。2017年6月期の売上は6100万豪ドル(約50億円、豪ドル=82円)で利益は3769万豪ドル(約30億円)。2018年4月9日現在の時価総額は5億6500万豪ドル(約463億円)。

株価はグーグルファイナンスで確認可能。IR情報はCMAのIRページにて確認可能。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去のデータをまとめた。

CMAのAnnual Reportに記載のある”Distributable Earnings”, つまり「配当可能な利益」というのはおそらく一般的なFFO (Funds from Operation)を指している。Annual Reportには下記の通りDistributable Earningsの計算方法が記載してある。

不動産リートのため、配当金支払がFFOの範囲内に収まっているかどうかが重要である。もし収まっていなかったらタコ足配当ということで遅かれ早かれ配当金払いは減ってしまうリスクがあるからである。CMAはFFO,彼らの定義でいる配当金支払額はDistributable Earningsの範囲内に収まっているので、将来の配当金を先食いしているわけではないことがわかる。

バランスシートの推移は下記の通り。(いずれも6月末)

有利子負債が総資産の30%ということでバランスシートは問題ないといえる。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

配当金支払額を再掲したが、営業キャッシュフロー(金利払い後)の範囲内に収まっている。

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保有不動産

CMAが保有する2018年上期の物件の一覧表に詳細な情報が記載してある。

稼働率は97.8%なので稼働率向上による収益UPはほぼ見込めない。

WALEは weighted average lease expiry の略で、「平均何年で全テナントの契約が切れる」ということを示しており、4.3年となっている。つまり4.3年たった後、契約更新が全くできなければ賃料収入がなくなってしまうことになる。当然ながらWALEが長ければ長いほどReitのリスクは低くなる。とはいえ、オフィスビルなどは3年~5年契約が多く、WALEが4.3年というのは普通のレベルといえる。(1年だとかなりリスクが高いといえるが…)

テナントを見るとInsurance AustraliaやTargetといった大手企業がCMAの物件に入っていることがわかる。トップ10でCMAの賃料全体の39%を占めている。ここはどう評価するか難しいが、個人的には分散されているのではないかと考える。

 

リスク

どのReitも同様であるが、長期金利の上昇による借り換えコスト増、そしてリーマンショック級の不況による空室リスクが最大のリスクといえる。

CMAについていうと有利子負債は資産の30%に抑えられているし、オーストラリアではリーマンショックでもGDPはマイナス成長とならなかったことから、個人的には特に大きなリスクがあるとは考えていない。

何より日本と違い地震がないので、地震による物件の損傷は考えなくてよいのがオーストラリアReitの良いところといえる。

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過去のバリュエーション

過去の投資口価格と利回りなどをまとめた。

投資口あたりの利益を出す意味があるかどうか微妙ではあるが・・・一応記載した。

分配金利回りは7%を超えている。2018年4月9日現在だと分配金利回りは7.69% となっている。

分析を終えて

今回は初めてオーストラリアのリート、”A-Reit”を紹介しました。実はReitはそんなに馴染みがないのでFFOとか一から勉強しました…。。大事なのは、「タコ足配当になっていないか」「負債は大きすぎないか」「十分な期間のWALEか」「テナントは分散されているか」などかなと思っています。

上記にも記載した通り、オーストラリアは今後も人口が伸びる国ですし、なにより大都市に人口が集中する国なので、大都市に物件を保有するReitへの投資は今後も有望なのではないかと思います。また、何よりも地震がない国なのがいいところです。

そろそろ1ミリオンが見えてくる中で、不動産などコツコツと配当金で資産を積み上げる、「守り」の投資を意識していきたいと思います。

今回じっくりReitを調べて思ったのですが、7%前後の利回りのReitがゴロゴロあるASXはやはり投資先として大変魅力的だと思います。なぜ日本のネット証券はオーストラリア株取り扱わないのかな~と不思議ですね・・・。

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