豪州の送電網・ガスパイプライン網の使用料に値下げ圧力

またまた高配当株に暗雲が立ち込めてきました。今回はエネルギーインフラです。最近電気代やガス代が上がっている、ということで「電線」「パイプライン」の使用料を値下げすべし、という動きになってきました。

背景

オーストラリアではCO2削減のために石炭発電を減らし、再生エネルギーを導入しています。さらに国産のガスをLNGにして国外に輸出しています。

CO2は出すものの、石炭発電というのは安く電気を生み出せますし、なによりオーストラリアには石炭が大量にあるので石炭発電にはもってこいなのですが、CO2排出を減らすということで石炭発電のこれ以上の導入はどうもなさそうです。ガスも国外に輸出するので年々値上がりしています。まだまだ再生可能エネルギーはコストが高いという状況です。

ということで、当たり前なのですがオーストラリアでは電気代とガス代が上がっており政治問題化しています。

こういう状況の中でトバッチリを受けているのが電気の「送配電線」そしてガスの「パイプライン」です。これらの使用料が高すぎるから、電気代・ガス代が高いんだ、という議論になっています。

政府機関の動き

そもそも送電線やパイプラインというのは自然独占資産なのでその使用料は政府が規制しています。政府は、送電網やパイプラインの利用料として適切な資本コストや利益率も込で、単位当たりの料金を5年毎に決定しています。

今回はまだ策定段階ということですが、Australian Energy Regulatorという政府のエネルギー関連の規制機関が、送電網およびパイプラインの運営収入を大幅にカットする方針であると発表しました。これにより年間の家庭の電力・ガスコストが1件あたり30~40豪ドル安くなるということでした。今回の発表について、ターンブル首相は歓迎のコメントを出しているようです。

当然のことながら送電線・パイプラインの運営会社は収入が減るので、モルガンスタンレーはASX上場の送電線・パイプラインの運営会社の価値は下がるだろうとしています。

もちろん、送電線・パイプライン運営会社は「あまりに収益率が低くなると、将来の電力・ガスの安定供給に必要な投資もできなくなる。将来のエネルギー安定供給の脅威となる」と今回のオーストラリア政府の発表に猛反発しています。

送電線・パイプライン運営会社の株価は?

私もこのブログで以前分析したSpark InfrastructureAusnet ServiceそしてAPA Groupの3社がASXに上場する送電線・パイプラインの運営会社です。これらの会社は安定した収入による高配当が売りだったのですが、今回の発表で今後も高配当を維持できるのか暗雲が立ち込めてきました・・・。

APA Groupは最近香港の長江実業から買収提案がありましたので、株価の動きがあまり参考になりません。ということでSpark InfrastructureとAusent Serviceの最近の株価を掲載します。

続いてAusnet Servicesの株価です。何故かグーグルには配当利回りの記載がないのですが、私が手元で計算したろころ5.8%です。

いずれも過去1年の株価なのですが、2018年7月10日に「送電線・パイプラインの使用料を減らす」という発表をしていらい株価がガクッと下がっています。

新聞を読んでいると、電気代・ガス代のうち、約半分が送電線・パイプラインの輸送料コストが占めているということで、政府だけでなく国民の風当たりも強いようです。政治的にも今回の使用料カットというのは避けがたい事態だったのかもしれません。

というわけで、私の配当金生活の有力候補の、高配当オーストラリア株であるSpark Infrastructure、Ausnet ServiceそしてAPA Groupに対する圧力が高まっています。Telstra, Sydney Airportはじめ盤石なビジネスモデルをもつ(と言われていた)高配当株が軒並み逆風状態です。

となると、人口増と経済発展がほぼ確実なオーストラリアでは不動産Reitへの投資が最も適切な高配当株投資なのかもしれません。オーストラリアは大都市にすべてが集中する国ですので、不動産価値が上がりやすい構造がありますし。不動産Reitだと法人税が免除される分、配当という形で投資家にリターンが上乗せされるので、余計に高配当投資先として適切だな~と最近思い始めました。

ということで今後しばらくはASX上場の豪州の不動産Reitについて調べようかな~と思います。

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