【銘柄分析】Growthpoint Properties Australia(GOZ)〔2017年6月期〕

今回はオーストラリアの不動産投資信託(リート)であるGrowthpoint Properties Australia(GOZ)を紹介します。2017年7月28日現在、配当利回りは6%となっています。

会社概要

Growthpoint Properties Australia(GOZ)は58棟もの物件を保有・運営するリートである。55棟のうち、26棟がオフィス物件で、32棟が産業用物件(物流施設)である。

物件の総額は約32億34百万豪ドル(約2652億円 、82円=1豪ドル)で、オーストラリア全土に保有している。同社の2017年6月期レポートに保有する物件の状況について分かりやすくまとめられてたので下記に貼り付ける。

  • 一番左にトップ10のテナントの記載がある。スーパー大手のウールワース、ニューサウスウェールズ州警察、コモンウェルス銀行など、安定して家賃を払ってくれるテナントが揃っている。
  • 上段真ん中が州別の家賃収入。ヴィクトリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州からの収入がほとんどを占める。オーストラリア東海岸が主な収入源。
  • 上段右側が全体の賃貸契約のうち、契約終了になる割合を示している。2017年が空室率1%。2018年に全体の4%が契約期限、19年は3%・・・となっている。個人的には契約切れても更新や新たなテナントが入居できれば問題ないと考える。
  • 下段真ん中が、賃貸契約を条件別に分けて示している。2/3を占めるのが、家賃固定+毎年3~4%程度の家賃上昇という条件。ということは物価上昇率が3%未満であれば、GOZは物価上昇率以上に家賃上昇を享受できることになる。
  • 下段左側が、保有物件の地理的な分布。当たり前だが、収入と同じような比重で各州に分布しており、ヴィクトリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州に大半の保有物件がある。

GOZが今の形態で事業を開始したのは2009年で、当初は6億5000万円規模の産業用Reitとして発足した。それまでは別会社運営していたが、リーマンショック時期に損害を出した。南アフリカのGrowthpoint社が買収し、Growthpoint Properties Australia(GOZ)が発足した。

GDFの会計年度は7月~6月。2017年6月期の売上は3億8340万豪ドル(約314億円、豪ドル=82円)で利益は2億7809万豪ドル。2018年4月24日現在の時価総額は約25億豪ドル(約2050億円)。

株価はグーグルファイナンスで確認可能。IR情報はGOZのIRページにて確認可能。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去のデータをまとめた。

売上と利益の推移は下記の通り。

2009年はリーマンショックそして不動産価値暴落により、評価損となり大幅な赤字となっている。(この時期にうまく買収したのがGrowthpointである。)

それ以外の年においては、配当可能利益(Distributable Earnings)とほぼ同額、あるいは枠内で配当金を支払っている。(タコ足配当ではない)

バランスシートの推移は下記の通り。(いずれも6月末)

有利子負債がは徐々に減らしていき、いまは総資産に対する有利子負債比率は40%程度となっている。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

フリーキャッシュフローはほぼ赤字。これまで10年間は増資により資金調達し、収益物件に投資をして投資家に配当を支払っている、という構図である。

過去のバリュエーション

過去の投資口価格と利回りなどをまとめた。

一株あたりNet Tangible Assetよりも株価が高いと割高、とされる。(収益力というバリューはあるけど)昨日の株価が3.7豪ドルだったので、少し割高・・・かもしれない。

一株Distributable Incomeの枠内で配当金を支払っており、タコ足配当というわけではない。

インサイダーの保有比率

一般的にReitは「運営・設立母体」と「投資家」の利益相反が起こる可能性がある。つまり、Reitが運営母体から不当に高値で物件を購入すると、Reit投資家が損し、運営母体が得をするということになりかねない。運営・設立母体・Reit経営陣などのインサイダーの保有比率の高いReitであればそのような利益背反が起こりにくいといえる。

まず経営陣の株式保有状況は下記の通り。

経営陣の中にはGOZ株を売却している人も居るが・・・多くは追加購入しており、経営陣と投資家の利害はおおよそ一致している、と言える。

社長のCollyer氏は79万株と約100万豪ドル保有。役員最も保有株の多いKierk氏は150万株保有しており、時価総額にして約1億円程度がGOZ株。真剣に経営するインセンティブはあるだろう。

大手20社の株式保有が下記。親会社である南アフリカのGrowthpoint が65%を保有している。親会社が儲けるために、ゴミ物件をGOZに売却する・・・という可能性がゼロではないのが懸念だが、杞憂だとは思う。

分析を終えて

オーストラリアのリートシリーズということで、おそらく誰も聞いたことが無いGrowthpoint Properties Australia(GOZ)を紹介しました。

一株当たりNTAが2.88ドルに対して、今の株価が3.7ドルということで、少し高いかな~~~と思います。

次回からはCharterhallといったもっとメジャーなReitを紹介したいと思います。

【銘柄分析】Growthpoint Properties Australia(GOZ)〔2017年6月期〕」への2件のフィードバック

  1. Diver

    銘柄分析いつも楽しみにしています。個人的にオフィスREITのCMWが気になっているのですが、もし機会があれば分析よろしくお願いします。

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      Diverさん

      コメントありがとうございます。CMWですね。早速確認します!

      返信

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