【銘柄分析】Xero(XRO)〔2018年3月期〕

今回は高成長のIT企業を紹介します。いわゆるSoftware as a Service(SAAS)企業です。

Xero(ゼロ)は中小企業向けのクラウド会計システムを販売している企業です。ASXに上場しているものの、ニュージーランド企業です。

会社概要

2006年ニュージーランドのウェリントンにて創業。2013年にASXに上場。ティッカーコードはXRO。

中小企業向けにクラウド会計システムを販売している。XeroのシステムはPaypalやセールスフォースにも接続されている。下記のようにXeroのプラットフォームとして活用し、調達・給与払い・人事・外貨送金・在庫管理などの業務ができる。また、会計士はXeroを用いて顧問企業の税務・会計業務を行うことができる。

会計年度は4月~3月。2018年3月期の売上は約4億ニュージーランドドル(約296億円)

現在の株価は52.34ドル。時価総額は73億豪ドル(5913億円)にのぼる。株価はグーグルファイナンスで確認できる。IR情報は同社ホームページより確認できる。

もともとニュージーランド証券取引所(NZX)に上場していた。途中からNZXとASXの2か所に上場しており、2018年からASXのみの上場となった。意図としては大きな証券市場のみに上場することで、効率的に資金調達を行うとのこと。

財務諸表分析

Annual Reportより過去の財務データをまとめた。

創業以来ずっと赤字である。これまで主に増資で資金調達しているため、有利子負債はない。驚きなのが売上の上昇率で、この10年で年率93%で増加している。

2014年から2018年は資産額があまり増えていないにも関わらず、売上が約6倍となっている。売上増に資本が必要ない業態であるといえる。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

2018年3月期にはじめて営業キャッシュフローがプラスに転換している。

よく見ると、キャッシュフロー計算書の項目で「預り金支払」と「預り金受取」がある。これを見ると2015年以外は、預り金受取の金額が、支払を上回っている。Annual Reportからは詳細なお金の流れが判然としない。しかし、XeroはPaypalといった支払インフラにも接続されているため、この時に一時的にXeroにキャッシュが入るのかもしれない。いずれにせよ、預り金の入れ繰りによりXeroにはキャッシュが入りやすい構造にあるようではある。(詳細はさらに調べないといけないが・・・)

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

典型的なSAAS企業で、顧客にはXeroに月ぎめでアプリケーションの使用料を支払うというもの。

【競合企業の新規参入】

特に参入が難しい業態ではない。

【無形資産】

特にこれといってない。業界の大手ということでのブランドや信頼はあるが、高収益を得られる要因ではない。

【スイッチングコスト】

非常に高い。XeroをプラットフォームにしてセールスフォースといったCRMシステムやPaypalなどの決済システムにアクセスできる。一度Xeroを用いてオペレーションを構築した企業は、簡単にはXeroから離れられない。特に他のアプリケーションと複合してXeroを自社業務に紐づけている場合、Xeroから他のサービスに移るのは難しい。

【ネットワーク効果】

未確認だが、他のSAAS企業は、Xeroと接続することで自社サービスを使ってほしいと考えるだろう。より多くのアプリケーションがXeroとつながることで、プラットフォームとしてのXeroのサービスの拡張性が広がり、さらに使い勝手が良くなる。

【コスト優位性】

競合より特に安いわけではないとは思うが、Xeroをうまく活用すればオペレーションコストを下げることは可能である。

【まとめ】

SAASということで、一度使用契約を結んでしまえば、他社への乗り換えが難しいビジネスである。上記に記載したように、特に資産を増やすことなく売上を増やしている。これも典型的なソフトウェア企業の特徴といえる。

最近の状況

創業の地ニュージーランドを皮切りにオーストラリア・イギリス・アメリカ・カナダなどに進出している。

2013年以降のサブスクリプション数は下記の通り。

この6年で会員数は10倍近くになっている。

最近はカナダの中小企業向け伝票データ入力データであるHubdocを7000万米ドルで買収した。Xeroのサービスに統合し、Xeroの利便性をさらに上げる計画である。

リスク

大規模なソフトウェアの障害や情報流出などに顧客が離れる可能性はある。またアメリカのイントゥイットなどの競合が反撃に出る可能性がある。

今後の展開

今後も利益よりも成長を重視する姿勢である。買収含めさらに投資を進めていく計画である。アマゾンと同様、まずは成長ということである。しばらくは配当金は期待できないだろう。

過去の株式バリュエーション

過去の株価と一株あたり利益、PER等をまとめた。過去配当金は支払はない。

ASX上場後の株価を示している。上げ下げはあるものの、2018年になり株価が急上昇している。

分析を終えて

今回はバリバリの成長企業、IT企業・SAAS企業のXeroを紹介しました。上記に記載した通りすさまじく成長している企業です。新聞によると、Xeroは1000億豪ドルにもなる!と予想している人もいます。いまの15倍くらいですが、さすがに売上500億円もない企業でそれは難しいかと思いますが・・・。

ただ、北米の中小企業向け会計ソフトウェア市場で、イントゥイットから顧客を奪ってシェアを伸ばすことができれば、今後Xeroの時価総額もどんどん上がっていくかもしれません。

というわけで少額ですが、私は6000ドル余りですがXero株を購入しました。正直、割高なのか割安なのか全然判断できませんが・・・成長するのは間違いないと思いますので、少額ではありますが投資しておこうと思ったので今回購入しました。はたして今後どうなりますかね。

【銘柄分析】Xero(XRO)〔2018年3月期〕」への2件のフィードバック

  1. Koala

    こんにちは。これだけたくさんの銘柄がある中から、どの銘柄に着目して分析するのかは、どのようにして選んでいるのでしょうか?

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      Koalaさん

      私の場合は新聞記事ですね。こちらの新聞を読んでいるといろいろな企業の記事が出るのですが、そこで目に留まった企業をピックアップしています。
      Xeroは昔から記事になっていましたし、前々から知ってはいました。
      あとは、知り合いで個人で事業をしている人がいるのですが、その人がXeroを使っていると聞いたので、興味をもった次第です。
      次はXeroのライバルであるMyobも分析してみたいと思っています。

      返信

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