ウエストパック銀行(WBC)銘柄分析〔2017年9月期〕

今回はリクエストもありましたので、日本からニューヨーク証券取引所のADRで購入できるオーストラリア4大銀行のひとつ、ウエストパック銀行の紹介をしたいと思います。私が使っている銀行はANZ(Australia and New Zealand Bank)ですが。

会社概要

1817年、まだオーストラリアがイギリス植民地であった時代に創業。オーストラリア初の銀行、かつ、初の会社である。今年が創業201年目の老舗でオーストラリア4大銀行のひとつ。各州の州都はもちろんオーストラリアとニュージーランドに支店網がある巨大銀行。オーストラリアでは第2位の規模で、世界では21位につける。

クレジットレーティングはAA-(S&P),Aa3(Moody’s), AA-(Fitch)と高い。

傘下にはSt George Bankなどのリテール銀行ほか多くのブランドで営業している。

2018年3月時点でのオーストラリア・ニュージーランドにおけるマーケットシェアは以下の通り。20%のシェアを得ており、大手行として確固たる地位を築いている。

会計年度は10月~9月。現在の株価は27.49 豪ドルで、配当利率は6.84%。

財務諸表分析

Annual Reportより過去の財務データをまとめた。

売上・利益・資産ともに順調に積みあがっている。リーマンショック直後もキッチリ利益を出しているのがさすが好調な経済のオーストラリアの銀行といったところ。

純利益率は高いものの、投下資本利益率は1%前後と低い。預金という負債でレバレッジを掛けていいるためROEは高いが、株主資本+有利子負債に対する利益率は低いのは銀行というビジネスモデルの特徴と考えられる。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

オーストラリアの金利が下がり始めた2015年あたりから営業CFが減ってきている。年間の配当金払いは50億豪ドル程度で推移しているがこの配当金を賄うだけの営業CFが稼げていないのが気になるところ。

一株当たり利益と配当、そして配当性向は以下の通り。

配当性向は75%を超えており非常に高い。配当金は年平均3%で上がっているものの、ここ4年はフラット。(2013年は特別配当0.2ドルがあったため、通常ベースの配当だと1.74豪ドルであった)

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

いわゆる典型的な銀行のビジネス。

【競合企業の新規参入】

参入はかなり難しい。

【無形資産】

特にこれといってないが。業界の大手ということでのブランドや信頼はある。

【スイッチングコスト】

非常に高い。顧客は銀行口座を変更するのが非常に手間であり、滅多に口座を変えない。低利で預金を集めることができる。

【ネットワーク効果】

なし

【コスト優位性】

ウエストパック銀行だけが並外れてコストを抑えられるような仕組みはない。

【まとめ】

銀行ということで、低利で集めたお金を、高い利率で貸し出して儲けるというビジネス。スイッチングコストが高いため、高金利競争をしなくても、ある程度預金は確保できる。

最近の状況

ここ最近オーストラリアでは、金融機関の不正融資に関する調査がなされており、ウエストパック銀行も不正な融資をしているのではないか、とかなり糾弾されている。実際ウエストパック銀行はローン貸し出しの際のプロセスに不正があったと認めている。

CEOは「報酬の在り方、顧客対応方法などを見直す」との声明を出している。

リスク

銀行の勘定系システムダウンや、投資家からは見えない不正融資の積み重ねなどがリスク。また、クラウドファンディングといった新たな融資の在り方で、銀行業界は「破壊的イノベーション」の餌食になる可能性もある。

また最近オーストラリアではシドニーはじめ住宅価格が下がっており、不動産市況の悪化、不良債権により銀行業界がダメージを受ける可能性はある。

今後の展開

今後もオーストラリア・ニュージランドで「規律ある成長」を目指すとしている。アジア等への進出は考えていない。

分析を終えて

ウエストパック銀行は配当利率が高く、日本のネット証券からもADRで投資できるため、人気の銘柄です。

オーストラリアでは預金金利が2%を下回るくらいで、住宅ローン金利は4%台だったと思いますので、十分な利率の差があります。ウエストパック銀行はじめオーストラリアの金融機関は普通に影響をすれば必ず収益をあげられると思います。

さらにオーストラリアは人口も増えますし、多くのインフラプロジェクト、資源プロジェクトが目白押しで、資本への需要があります。これは日本と違うところです。日本の銀行は低金利、そもそも誰もお金を借りないという深刻な問題がありますが・・・。

最近の営業CFの鈍化と、豪州ロイヤルコミッションによる金融業界への調査、そして住宅価格下落による不良債権爆弾がさく裂しないか・・・が気になるところですが、まあ投資してもいいかな、、とは思います。今度REITからの配当金が来たら、少し投資してもいいかもしれません。私の日本のSBI証券から投資してもいいのですし、その時にまた考えます。

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