アルミナ(AWC)銘柄分析〔2017年12月期〕

今回はオーストラリアらしい資源会社について分析します。アルミナという名前の通り、アルミニウム生産企業です。しかし実際は、単にアルコアとの合弁事業の株を持っているだけ、というペーパーカンパニーです。ペーパーカンパニーですが時価総額が6000億円もある大企業ではあります。

会社概要

アルミナは、アメリカの大手アルミニウム生産会社であるアルコアとの合弁事業AWAC(Alcoa World Alumina and Chemicals)の40%の持分を保有する会社である。AWACはアルミ精錬所、ボーキサイト採掘場などの運営している。運営自体はアルコアが行い、アルミナは単に合弁事業のAWACから配当を得るだけのペーパーカンパニーである。

ペーパーカンパニーではあるものの、時価総額は76億豪ドルと大企業ではある。

アルミナが40%を保有するAWACは世界中で事業を行っている。

オーストラリア、アメリカ、ブラジル、サウジアラビア、スペインに精錬所、採掘場などがある。

さらにAWACは生産コストが安い。

アルミナの投資家向け資料によると、AWACの採掘コスト、精錬コストともに競合と比較しても安いことがわかる。

会計年度は1月~12月。現在の株価は2.64 豪ドルで、配当利率は8.92%。

 

財務諸表分析

Annual Reportより過去の財務データをまとめた。

売上、のほとんどはAWACからの配当金。売上と利益の数値自体にあまり意味はない。資産を見ると、アルミナ自体はほとんど負債がなく、財務体質自体は健全。資産のほとんどはAWACへの投資である。

2017年こそROICは15%と高いが、それまではROICは非常に低い。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

営業CFはおおむね黒字で、配当払いのためのフリーCFは稼げている。

一株当たり利益と配当、そして配当性向は以下の通り。

AWACが儲かった年は配当をし、儲からない年は配当をしないという状況。AWACからの受け取った配当金のほとんどをアルミナ株主に支払うという状況。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

上記に記載した通り、ローコストで生産できる精錬所やボーキサイト採掘場を保有しているという「コスト競争力」が強み。しかしアルミ価格は上下するので常に安定的に収益を上げられるわけではない。

最近の状況

最近中国が、「作りすぎた」アルミ精錬所の整理をすすめている。また大気汚染対策で効率の悪いアルミ精錬所の操業停止を命じている。これにより世界的にアルミの生産が減り、アルミ価格が上昇、アルミナの利益が増大した。

リスク

アルミナは、アルコアにおんぶにだっこの状況で、アルコアとの関係が悪化してAWACの合弁事業から追放された場合、事業が終了する。契約によりアルミナの権益は保証されているものの、過去アルコアと争ったこともあるので、油断はできない。

今後の展開

今後もAWACの40%持分保有者として、アルコアに操業をまかせて配当金を得るというビジネスを継続する。

分析を終えて

アルミナという会社は大会社ではあるものの、アルコアとの合弁事業の株を持っているだけ、というペーパーカンパニーです。配当利率は8%を超えていますが、配当金の額はアルミ市況に左右されるので、購入しようとは思いませんね。

アルミナは日々のオペレーションはアルコアにお任せという会社なので、アルミナの経営幹部は実質的に仕事はありません。オーストラリアの新聞にも「アルミナの取締役会はオーストラリアで最も高いランチ会」と揶揄する言葉もありました・・・。

日本にはないであろう、オーストラリアらしい銘柄でした。購入はしませんが・・・。

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