【銘柄分析】Sydney Airport(SYD)〔2015年12月期〕

前回はニュージーランドのオークランド国際空港について紹介しました。今回は、同じくASX上場の空港運営会社を紹介しようと思います。社名のSydney Airportそのままの会社で、シドニー国際空港の運営会社になります。

会社概要

もともとシドニー空港、ブリュッセル空港そしてコペンハーゲン空港の3空港を保有していたMApという会社が前身。2011年12月に投資ファンドと資産スワップなどを実施したのちに、Sydney Airportが設立された。

滑走路は3本。場所はシドニー中心部から6kmと非常に便利なところにある。

会計年度は1月~12月。2015年12月期の売上高はおよそ12億豪ドル(960億円:AUD/JPY=80)、純利益は5.8億豪ドル(464億円)。

株価はグーグルファイナンスで確認できる。IR情報は同社のホームページより確認できる。

財務諸表分析

Annual Reportより筆者が過去のデータをまとめた。

2015SYD Balance Sheet

2010年まではMApという会社で別会社であった。Sydney Airportとして出発した2011年から数値をまとめた。売上は順調に上がっている。一方有利子負債は増えている。

2015SYD売上詳細

2015年のAnnual Reportに項目別売上推移が掲載してあったのでプロットした。着陸料などは着実に上がっている。(2011年~13年は項目の合計と売上高が一致しない。NAと乗客安全サービスの分がずれている)

2015年12月31日時点のバランスシートは以下の通り。

2015SYD 2015Dec BS

有利子負債比率は67%と高いが、安定的な収入が期待できる空港ビジネスなので懸念することはないだろう。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

2015SYD CF

ここ5年はキャッシュが徐々に減っている状況である。しかし、安定的な収入のもと、適切に管理すればキャッシュが尽きるというような事態には陥らないだろう。

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

典型的なインフラ企業のビジネスモデルである。空港利用者数が増えれば増えるほど収益も上がる。シドニー近郊に同社が手掛ける空港以外は開港されないことから、独占状態が続くだろう。分析については前回の記事を参照にしていただきたい。

最近の状況

シドニー空港のキャパシティも限界に近づきつつあるなか、政府はシドニー西部郊外に新たな空港(Western Sydney Airport)の建設を計画している。Sydney Airportは政府との取り決めに基づき、独占的に新空港の建設・運営を実施することができるため、現在政府と計画を話し合っている。

2015SYD WS

リスク

観光客の減少が最大のリスク。考えられる要因は、世界的な景気低迷・伝染病の流行・シドニー近郊での大規模災害(特に山火事)などである。これらが発生すると一気に乗降客数が減り、収益にダメージを与えるだろう。

今後の展開

上記にも記載した通り、シドニー西部の新空港の計画を進めている。2020年代中盤には操業にこぎつけたいとのこと。

また、2016年度は一株配当金を30セントに増加させるとしている。

過去の株式バリュエーション

過去の株価と一株あたり利益、PER等をまとめた。

2016SYD株価

7月18日時点の株価が7.11ドルなので、配当利回りは3.58%である。

分析を終えて

AIAの分析時も同じことを記載しましたが、空港運営ビジネスはパイプラインや送配電線と同じく、自然独占的な傾向のあるビジネスです。Sydney Airportは他に競合らしい空港もなく、シドニー近郊の航空需要を独占していると言えるでしょう。

2011~13年までは配当利回りが7%程度あったのですが、今は株価が上がりすぎてしまった感があります。突然の景気後退、伝染病発生など(これは困りますが・・・)で株価が下落するかと思います。まあなんにせよ、同社の株が下がったら、買いを入れたいと思います。

 

 

【銘柄分析】Sydney Airport(SYD)〔2015年12月期〕」への6件のフィードバック

  1. デイちゃん

    ありがとうございます。とても参考になります。
    空港とか、やってることがわかりやすい会社っていいですね。
    だんだん市場も落ち着いてきたし、8月にかけては株式も上昇するかな??と期待しています。
    ただ、去年みたいに、ある日突然急落するかも・・?とも、ちょっと思っているんですよね。
    まあこういう会社が、株価急落してた時は、買いかもしれませんね。

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      デイちゃんさん

      私もわかりやすい事業を行う会社を好んでいます。
      おっしゃる通り、このような堅実な会社の株が暴落したときが購入のチャンスだと思います。
      最近高配当株の株価が上がってて、なかなか買いのチャンスがないですよね・・・。

      返信
      1. デイちゃん

        実は、イギリスが離脱しないかも?という雰囲気の時に、日本株買ったのですが、やっぱり離脱する~となって、日本株急落!
        でも、その後何とか持ち直して、ちょっとプラスになったので、チキンな私は早々に売却したのでした・・・。

        オーストラリア株も、会社自体はいいな、と思うのですが、欲を出さず、プラスになったのは売ったほうがいいのかな・・・と思っています。
        マッコーリや、テルストラはすでにプラスなんですよね。

        返信
        1. ディンゴ 投稿作成者

          なぜか日本株が一番影響受けてましたよね・・・。短期の株式市場はどう動くかよく分かりませんね・・・。

          株については、プラスで終えたらOKですので、売るのも選択肢としてはありだと思います。売買タイミングは人それぞれだと思います。
          株式投資はメンタルの占める割合が大きいですよね。

          返信
  2. HB

    初めまして!
    いつも楽しく拝見をしております。
    私もオーストラリアに移住して数年になります。
    多くの株を同時に分析することが苦手なので、私はカンタス一本で長期保有(の予定)です(笑)。
    しばらく配当がなかったカンタスですが、今年から復配になるのではと言われていますが、
    さて、どうでしょうね・・・。
    日本に帰る時もカンタス贔屓ですが、スタッフの帰属意識も高くとてもいい会社だと思います。
    良かったらいつか分析していただけると嬉しいです♪

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      HBさん
      初めまして。今は石油価格安いので、カンタスの業績もいいと思いますけどね~。また、カンタスも分析したいと思います!
      ところがいままた忙しくなりつつあり、更新がなかなかできそうにありません・・・。が、なんとか頑張って更新したいと思います!

      返信

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