Tassal(TGR)銘柄分析〔2018年6月期〕

今回はサーモンなどのシーフード養殖会社であるTassalを紹介します。このブログでは初のタスマニア企業となります。

オーストラリア在住の人、特にウールワースで買い物をするひとはTassalのサーモンを一度は購入したことがあると思います。私もよく買ってました。日本と比べたら高いなあ・・・と思ってましたが、投資目線では価格が高い=収益性が良いということになりますね。

会社概要

Tassalは1986年にタスマニアで創業。1996年にASXに上場。

タスマニアの東海岸にサーモンの養殖場を保有しており、オーストラリア最大のアトランティックサーモンの生産企業である。

上の写真のような養殖場をタスマニア島東海岸の海上に浮かべてサーモンを養殖し、出荷している。

サーモン以外にもエビの養殖場もニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州に保有している。

会計年度は7月~6月。現在の株価は4.2豪ドルで、配当利率は3.81%。時価総額は7.45億豪ドル(約610億円)2018年6月期の売上は5億豪ドル(約410億円)、純利益は5700万豪ドル(約47億円)。

最近の株価推移は下記の通り。

PERは約13倍、配当利率3.81%で購入しても問題ないような価格水準である。

財務諸表分析

Annual Reportより過去の財務データをまとめた。

売上・利益ともに順調に伸びている。純利益率は常に10%を超えており、ROICも10%前後をキープしている。収益性は高い。

キャッシュフローの推移は以下の通り。

営業CFはずっと黒字である。近年は養殖場の拡大投資がかさんでフリーキャッシュフローがマイナスになる年もある。

一株当たり利益と配当、そして配当性向は以下の通り。

一株利益、一株配当金は凸凹あるものの、基本的には右肩上がりである(2011年に一株当たり利益を減らした理由がどこにも書いていないので不明)

ビジネスモデル分析(高収益の要因)

サーモンの養殖に適している場所は世界的にも限られている。ノルウェー、イギリス、チリ、そしてオーストラリアのタスマニアである。

低コストで大量のサーモンを生産できるという「コスト優位性」が高収益の要因と考えられる。

輸送コストを考えると、オーストラリア国内市場では輸入サーモンより低コストで供給できるだろう。中国への輸出という点でもノルウェー・チリより輸送距離が短いので有利ではある

(ただし、Tassalがノルウェー・チリ・イギリスの養殖業者よりも低コストで生産できるかどうか・・までは分析できなかった。)

最近の状況

2015年、オーストラリアでシーフードの加工・販売会社のDe Costi  Seafoodを買収。サプライチェーンを抑えることで、販売量の拡大を狙っている。

2018年9月にはクイーンズランド州・ニューサウスウェールズ州でエビの養殖を行うFortune Groupを買収。上述のようにオーストラリアではサーモンとエビがシーフード売上の70%を占めており、重要食品を手中に収めたことになる。

サーモンの質は上がっているようである。1匹あたり大きさが増しており、中国など大きなサイズを好むマーケットに良くフィットするとのこと。販売数量も増えている。

サーモンの輸出量は近年大幅に増えている。2018年6月期の生産量約3万トンのうち、20%の約6500トンが中国をはじめ各国に輸出されている。また、サーモンの価格も季節性はあるものの上り基調にある。

リスク

天候不順・伝染病によるサーモン・エビの不作がリスク。

また、Tassalが養殖場でサーモンを”薬漬け”にしているとか、環境汚染物質を垂れ流しているという調査報道もある。金を払って環境団体から「環境にやさしい企業」というお墨付きをもらっている・・・などの悪評もあるにはある。

今後の展開

今後も同社はサーモン・エビの市場は底堅く、売上が成長すると見込んでいる。タスマニア東海岸で現在保有している養殖場よりも遠洋で養殖場の設置し、さらなる生産増をめざすとのこと。

また、サーモン・エビ以外のシーフードビジネスの進出も検討している。

分析を終えて

タスマニア企業を分析したことが無かったので、今回はTassalを選んでみました。

タスマニアはオーストラリア大陸とは少し違う気候が特徴です。南極から寒流が流れており、夏でもそこまで暑くなりません。ヨーロッパのような気候です。

また大陸とは違ってタスマニアは山がちで、植物も豊富に茂っており、海に栄養が流れます。つまり豊かな漁場があります。

何回か旅行に行きましたが、風光明媚ないいところです。州都のホバートには大型の漁船が停泊しています。大陸の変わらない景色とは違い、山がちでドライブも楽しめるのがタスマニアです。

そういう地理的な特徴を生かし、アトランティックサーモンの養殖ビジネスを開始したのがTassalです。たぶんTasmania とSalmonを足して会社名としたのでしょう。

オーストラリアでは人口増が見込まれるので、これからもサーモンはじめシーフードの需要は伸びるでしょう。中国はじめアジアでも今後需要が伸びそうなので、Tassalの将来は明るいと思います。気になるのはノルウェーやチリのサーモンとの競合ですが、残念ながら生産コストのデータが無いのでTassalの競争力は分からずじまいでした。

タスマニア企業を分析しようとしてたまたま目に入ったTassalですが、意外と収益性が高く驚きました。株価も割高ではないですし、投資ターゲットに入れようかなと思います。

Tassal(TGR)銘柄分析〔2018年6月期〕」への4件のフィードバック

  1. アジア株太郎

    いつも楽しく拝見させていただいております。
    再来週にタスマニアに行く予定なので、すごくタイムリーなブログ記事ありがとうございます。

    オーストラリア企業で ヘンプオイルを売っている EXLという企業があるのですが、日本でも地下鉄広告を打つなど積極的に活動しているそうです。
    株価はIPOから約2倍になっていますが、現在のところ未知数です。
    個人的に色々調べてみたいと思います

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      アジア株太郎さん

      こちらこそ銘柄をお教えいただき有難うございます。私も調べようと思います。
      タスマニアは本当にいいところです。落ち着いていて自然が豊かで、今の季節は寒すぎないので滞在にはもってこいですね!
      タスマニアは人口50万人しかいないので、ASX上場企業ってあんまりないですね。

      返信
  2. アジア株太郎

    月曜朝に購入し、すでに15%アップし驚いています。
    アメリカではfarm bill(農業法案)が改正され、THCの少ない大麻の栽培が可能になったり、ニュージーランドで医療大麻が合法化されつつあるなど、プラスニュースが続いております。

    売上もかなりのペースで増えているので、
    利益もそれに伴ってくると思います
    https://www.newcannabisventures.com/cbd-demand-drives-elixinol-q3-revenue-growth-of-159-to-a10-4-million/

    カナダではかなりの大麻株ブームが起こったので、数ヶ月で15倍になる銘柄もあるなどしています。

    返信
    1. ディンゴ 投稿作成者

      アジア株太郎さん

      情報ありがとうございます。アルトリアがクロノスグループ購入したり、大麻に関するビジネスがどんどん伸びていますね。私も引き続き注目したいと思います!
      個人的にはたばこ株のウェイトが高いので、たばこ株と入れ替えする形で大麻株の購入を検討しようかな~と思います。

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