【銘柄分析】ALE Property Group(LEP)〔2018年6月期〕

今回はオーストラリアのREITを紹介します。このリートは、オーストラリアのパブの建屋を保有しています。すべての物件にAustralian Leisure and Hospitality Group というパブ運営会社が入居しており、ここからの賃料収入を得ているというリートです。非常に単純なビジネスモデルで、単純さという意味では私の理想とする会社です。

会社概要

ALE Property Group (LEP)はオーストラリア全土出で86件のパブの建屋を保有しており、全物件をAustralian Leisure and Hospitality Groupというパブ運営会社に貸し出し、賃料収入を得ているという豪ASX上場のREITである。

オーストラリアの繁華街などでよく見るこのような建物を保有している。

パブ・スロットマシーン・スポーツバーが1階、2階より上が宿泊部屋となっている、繁華街の「騒がしい」施設である。

LEPは2003年にテナントであるAustralian Leisure and Hospitality Groupと25年の賃貸契約を締結している。この賃貸契約はAustralian Leisure and Hospitality Group側に10年間延長する権利が4回ある。もしこの権利が行使された場合、2068年まで契約が続くことになる。

賃料は物価連動や10年に一度の賃料交渉がある。

ほとんどの物件がトリプルネットリース、すなわち物件の保険・修繕・税金はすべてテナントであるAustralian Leisure and Hospitality Groupが行う。(つまり、基本的に物件を持つだけとなる)

このように、ビジネスモデルとしては単純至極である。

このように単純で退屈な銘柄ながら、2003年11月の上場以来、この15年で配当込で年率22%のリターンが実現している。2003年11月にLEPを1万ドル購入した場合、配当をすべて再投資した場合はなんと16万ドル程度になっていることになる。(16倍)

財務諸表分析

Annual Reportから数値をまとめた。

売上と資産の推移

売上は順調に伸びてる。赤字の年は、物件価値が下がったことが原因。(売上の中になぜか「物件価値上昇分」も含まれているのが、どのような会計基準となっているのかは不明。。)

キャッシュフローの推移

営業CFは安定しており、毎年3000万豪ドルある。ただ、気になるのは配当金払いが近年増えており、営業CFの数値を超えている。このレベルでの配当金払いが持続可能なのかは疑問ではある。

一株あたり数値

一株NTA(純有形資産)は2018年6月期で3.17ドル。2018年12月18日の株価は4.91ドルなので、NTAと比較すると株価は高いと考えられる。

配当可能利益と配当支払額

配当可能利益(Distributable Earnings)は、純利益から、減価償却費を足したり、物件評価益を引いたりして、年間でどれだけ配当可能なのかを示した利益。データは2012年からある。2015年くらいまでは、おおむね配当可能利益の範囲内で配当を行っているが、2016年以降は、配当可能利益と比較して実際に配当で支払った額は多くなっている。(CF計算書の数値とは若干のずれがある)

インサイダーの持株状況

唯一のテナントであるAustralian Leisure and Hospitality Groupは、75%をスーパー大手のウールワースが保有している。そのウールワースはLEP持分の8.72%を保有している。

これを鑑みると、大株主のウールワースとしては、持分の多いテナント側を応援するのでは・・・という疑念はある。

現在の株価

2018年12月18日時点の株価は以下の通り。

配当利率は4.24%。上記に記した通り一株Net Tangible Assetは3.17ドルなので現在の4.91ドルは少々割高な水準かと思われる。

分析を終えて

今回は、過去15年で年率22%のリターンをもたらした化け物リートのALE Property Groupを紹介しました。

この会社は2007年以降物件の購入は行っておらず、この10年以上は一貫してテナントに家賃を払ってもらっているだけ・・・という状況です。非常に退屈なビジネスです。

退屈なのですが、リターンはとんでもないということで、今回紹介しました。投資対象の基本は、シンプルで、変化がなく、一見して儲かりそうにない安定した事業にずーっと賭け続ける、といったところでしょうか…。

ただ、分析してみると、配当金払いが今の水準で持続できるのか疑問ですし、NTAよりも株価がかなり高いので、今は投資するタイミングではないかなと思います。2018年の賃料交渉では家賃が最大10%上がる可能性があるのですが、これが株価に織り込まれている可能性はあります。

ただ、会社から何も発表がありませんし、そもそも家賃が10%上がって、営業CFが10%増額してたとしても、今の配当金支払いレベルは維持するのは困難かと思います。

過去は素晴らしいリターンでしたが、今後もずっと実現できるかは、投資する前にキッチリ確認する必要があるなあと改めて思いました。私の分析が外れている可能性もありますが…。

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